年一回の点滴ビスフォスフォネート、リクラスト
あんまり使うことがない印象なのですがやはり服薬アドヒアランスが最強なのがメリットです。
こちらの論文のご紹介です
Fracture Prevention with Infrequent Zoledronate in Women 50 to 60 Years of Age
リクラストを5年に1回投与するだけで、閉経初期女性の椎体骨折リスクを10年間にわたり低減できたという報告。長期間で n>1000 対象者の介入研究だそうです。
1年に1回ではなく5年に回ですよ???
プラセボのみでは11%に椎体骨折が起こっていたのに対して、1回投与で6.6%。5年後にもう1回投与で6.3%まで減らせたという結果です。
気をつけないといけないのは薬価。1瓶あたり33,986円です
3割負担で1万円です。流石に1年に1回とはいえ高いですね。
研究概要
- 目的: 初期閉経後の女性における稀なゾレドロン酸投与が椎体骨折予防に有効か調査。
- 背景: 高齢女性ではゾレドロン酸の長期効果が確認されているが、閉経初期の女性に対する影響は不明。
研究方法
- デザイン: 10年間の前向き二重盲検無作為化プラセボ対照試験。
- 対象者: 50~60歳の女性(骨密度Tスコア 0 ~ -2.5)。
- グループ:
- ゾレドロン酸-ゾレドロン酸群: 5mg投与 (開始時と5年後)。
- ゾレドロン酸-プラセボ群: 5mg投与 (開始時のみ)。
- プラセボ-プラセボ群: プラセボ投与 (開始時と5年後)。
- 評価指標:
- 主要評価項目: 形態計測的椎体骨折 (椎体高の20%以上の減少)。
- 副次評価項目: 脆弱性骨折、全骨折、主要骨粗鬆症骨折。
結果
- 参加者: 1054名 (平均年齢 56歳) → 95.2% (1003名) が10年後まで追跡完了。
- 主要評価項目 (椎体骨折):
- ゾレドロン酸-ゾレドロン酸群: 6.3% (22人)。
- ゾレドロン酸-プラセボ群: 6.6% (23人)。
- プラセボ-プラセボ群: 11.1% (39人)。
- リスク比:
- ゾレドロン酸-ゾレドロン酸 vs プラセボ-プラセボ: 0.56 (95%CI: 0.34–0.92, p=0.04)。
- ゾレドロン酸-プラセボ vs プラセボ-プラセボ: 0.59 (95%CI: 0.36–0.97, p=0.08)。
- 副次評価項目:
- 脆弱性骨折:
- ゾレドロン酸-ゾレドロン酸 vs プラセボ-プラセボ: 0.72 (95%CI: 0.55–0.93)。
- ゾレドロン酸-プラセボ vs プラセボ-プラセボ: 0.79 (95%CI: 0.61–1.02)。
- 全骨折:
- ゾレドロン酸-ゾレドロン酸 vs プラセボ-プラセボ: 0.70 (95%CI: 0.56–0.88)。
- ゾレドロン酸-プラセボ vs プラセボ-プラセボ: 0.77 (95%CI: 0.62–0.97)。
- 主要骨粗鬆症骨折:
- ゾレドロン酸-ゾレドロン酸 vs プラセボ-プラセボ: 0.60 (95%CI: 0.42–0.86)。
- ゾレドロン酸-プラセボ vs プラセボ-プラセボ: 0.71 (95%CI: 0.51–0.99)。
- 脆弱性骨折:
結論
- ゾレドロン酸を10年間で2回投与することで、初期閉経後の女性における椎体骨折リスクが有意に低下。
- プラセボ群と比較して、全骨折・脆弱性骨折・主要骨粗鬆症骨折のリスクも低下。