まさかここまで炎上するとは思いませんでした。整形外科的にはSERM+VitDですよね。でもエビデンス絶対正義の内科の医師からすればアメリカ骨代謝学会の提言に沿ってビスフォスフォネートを導入するようです。
整形外科医の反応としては
「最初から骨吸収抑制薬を使ったら骨質が変になって次の治療ができない!非定型大腿骨もあるんだし60代では使わないでしょ」
というもので私も賛成です。
ですがこれも内科医からすれば誤りのようです
これもまた欧米人がベースの研究でこう言われているという話で、大腿骨の弯曲の加減から非定型大腿骨が多いアジア人ではすぐ受け入れていいものか悩みます。
骨質低下とその後の骨形成促進薬については「たしかに骨密度の上昇は悪いかもしれないが骨折を増やすというアウトカムはない」ということで一蹴されてしまいました。
結局アメリカ骨代謝学会の提言通り、5年投与してその後再度骨折のリスクを評価。まだリスクが高くて非定型大腿骨骨折の可能性が低ければ投与継続。リスク低ければ一旦休薬。というのが参考にすべき方針ということです。
予防医療って難しいですね。効果が目に見えにくいのでやっている方も本当にこれが正しいのかわかりません。この薬はしかも骨折を予防する薬であるのにもかかわらず病的骨折をおこすことがあるというのが難しい点です。頑張って骨折しないために飲んでいた薬で骨折したと聞かされた患者さんからすればガッカリして失望します。私も何人もそういう人を見てきました。
血圧を下げる薬で脳出血する副作用とかないですよね。この薬はそれを起こしてしまう。しかも治療はかなり難渋するというのは整形外科医にしかわからない話。いつか整形外科医と内科医がわかりあえるときはくるのでしょうか。